
高齢者人口が増え続けるなか、住宅内、特に階段での転倒事故は、今後も身近に潜む大きなリスクと言えます。そのため階段昇降機を始めとした介護製品の利用をご検討される方もいらっしゃるでしょう。
この記事では階段昇降機の導入をご検討されている方向けに階段昇降機の種類別相場や工事費用、購入とレンタルの違い、さらに補助金制度や介護保険の適用範囲まで分かりやすく解説します。
階段昇降機の本体価格や取付費用の目安は?

階段昇降機の導入にかかる費用は本体価格(椅子部とレール部)と設置工事費の合計となります。
ただし、可搬型の昇降機については、設置工事は不要ですが、操作する介助者は安全な操作の講習を受けることが必要です。可搬型について詳しくはこちらのコラムをご覧ください。
工事費用が全体の何割を占めるかは工事内容によって異なるため、ここでは、直線型・曲線型・屋外型などの種類ごとにトータルの費用相場や工事内容、ホームエレベーターとの違いについて分かりやすくまとめます。
階段昇降機の種類ごとの相場
階段昇降機の価格は、ご自宅の階段の形状や設置場所などによって大きく変わります。
| 利用 場所 | 種類 | 主な特徴 | 相場 (工事費込み) |
|---|---|---|---|
| 屋内 | 直線型 | まっすぐな階段に設置。最も導入しやすい。 | 約80万円〜 |
| 屋外 | 直線型 | 防水・防錆仕様。玄関アプローチなどに設置。屋外用は主に直線型。 | 約100万円〜 |
| 屋内 | 曲線型 | 曲がり・踊り場に合わせてレールをオーダー製作。 | 約190〜約230万円 |
| – | 車椅子用 | 車椅子ごと運べる。階段昇降機の中でも最も高額なタイプ。 | 約250万円~ | – | 可搬型 | 介助者がついて昇降する。階段昇降機の中でも最も安価なタイプ。 | 約20万円~ |
可搬型を除くと価格的に最も導入しやすいのは、まっすぐな階段に設置する「直線型」で、工事費込みでおおよそ80万円程度からが市場相場です。
一方、曲がり階段や踊り場のある階段向きの「曲線型」は、階段の形状に合わせてレールをオーダーメイドする必要があるため、相場は190〜230万円程度と高くなります。
また、屋外に設置するタイプは、雨風に耐える防水・防錆仕様が求められるため、100万円程度からが一般的です。
ご自宅の階段に最適なタイプを選ぶことで、安全性と使いやすさが大きく向上します。階段昇降機の種類について詳しくは、「階段昇降機とは?基本的な特徴やメリット、デメリットなどを分かりやすく解説」のコラムもぜひ参考にしてください。
TKEの階段昇降機の製品ラインナップと参考価格はこちらのページをご覧ください。

工事費に含まれる主な工事内容
| 工事内容 | 説明 |
|---|---|
| レール設置工事 | 階段形状に合わせたレールの固定作業。直線型階段の場合は比較的容易で曲線型の場合はオーダーメイドでレールを作ることが多いため、設置工事にもそれなりに工数・費用がかかる。 |
| 本体の取り付け | イス・駆動部の設置、動作確認、安全装置の調整など。 |
単に階段に設置すると言っても、階段の幅・勾配・段数、踏み板の材質、周辺の柱や手すりの位置など、住宅ごとに異なる条件を踏まえて最適な取付方法を選ぶ必要があります。そのため、レールの形状以外にも、レールの取り付け方法によってもトータルの価格は変わってきます。
こうした工事内容を理解しておくことで、見積もりの妥当性を判断しやすくなります。
階段昇降機とホームエレベーターはどちらがお得?
階段昇降機とホームエレベーターは、どちらも自宅での移動を助ける設備ですが、後付けで導入する場合は費用・工事期間・設置のしやすさに大きな違いがあります。
ホームエレベーターは本体価格だけでなく、建物の構造変更や大規模なリフォームが必要になるため、総額が500万円以上になるケースもあります。人件費や材料費の高騰の影響をより受けやすい点も懸念点と言えます。
一方、階段昇降機は既存の階段にレールを取り付けるだけで設置でき、工事も1日で完了することが多く、費用も比較的抑えられます。
| 項目 | 階段昇降機 | ホームエレベーター |
|---|---|---|
| 導入費用の目安 | 約80万〜230万円程度(工事費込み) ※設置型の椅子式階段昇降機 | 本体価格約300万〜500万円程度 ※さらに設置工事費や住宅改修費が発生 |
| 工事の規模 | 既存階段にレールを設置するだけ | 壁・床の開口、建物補強など大規模工事 |
| 工事期間 | 1日で完了することが多い | 数週間〜数ヶ月 |
| 設置のしやすさ | ほとんどの住宅で後付け可能 | 設置できない住宅も多い |
| 維持費 | 比較的少ない | 点検・保守費用が高め |
| メリット | 費用が抑えられ、後付けしやすい | 車いすのまま乗れる |
| 総合評価 | 費用・工事負担が少なく導入しやすい | 高機能だが費用・工事負担が大きい |
住み慣れた家での生活を続けたい方にとって、導入のしやすさ・費用負担の少なさ・工事の簡便さを考えると、階段昇降機のほうが現実的でメリットが大きい選択肢といえます。
「後付けならホームエレベーターより階段昇降機~後悔しない選択を」のコラムも、ぜひ参考にしてください。
階段昇降機は安さだけで選ぶべきではありません

階段昇降機は決して安い買い物ではないため、つい価格だけで比較したくなりますが、実際には安全性や耐久性、保証内容など、長く安心して使うための要素が大きく関わります。
特に安さだけで選ぼうとすると、そもそも自宅の階段に設置できないタイプの階段昇降機だったなんてことも起こります。費用と品質、仕様のバランスを見極めながら、安心して使い続けられる一台を選ぶことが大切です。
階段昇降機の価格を左右する主な要素
階段昇降機の価格は「本体の違い」だけでなく、ご自宅の階段の形状や使用環境によって大きく変わります。特に曲線型は、階段に合わせてレールを一本ずつオーダーメイドで製作するため、曲がりの回数や長さが価格に直結します。
またレールをどのように取り付けるかも関わってきます。以下のような各要素を考慮して最終的な工事費用が決まります。
- 階段の幅・勾配・段数
- 踏板の材質・構造
- 柱・梁・ドアなどの周辺障害物の位置
- 床下収納や手すりの有無
- 外回りor内回りのどちらにレールを敷くか
- レールの曲がり具合や階段からの高さ
購入とレンタルのメリット・デメリット比較
階段昇降機には購入とレンタルの選択肢がありますが、実際には利用できる条件や使い勝手に大きな違いがあります。
レンタルは直線型に限られる場合が多く、曲線型の階段には対応できないことがほとんどです。これはレールの再利用がある程度可能な直線型に比べ、曲線型はオーダーメイドのレールになるためサービス形態としてレンタルが難しいという背景があります。
以下に、購入とレンタルの特徴をまとめました。
| 項目 | 購入 | レンタル |
|---|---|---|
| 対応できる階段 | 直線・曲線どちらも対応 | 直線型のみが一般的 |
| 費用 | 初期費用は必要だが長期利用で割安 | 月額費が積み重なる | 総合評価 | 長期間の利用ならメリット大 | 短期間の利用ならメリット大 |
階段昇降機の設置に利用できる補助金・助成金をご紹介

階段昇降機はけっして安い買い物ではありません。そこでここからは購入時に利用できる補助金・助成金についてご紹介します。
必要な方がきちんと導入できるように、多くの自治体では独自の補助金・助成金制度を設け、設置費用の一部を支援する取り組みが広がっています。
調べ方としては、
「住宅改修 支給 〇〇市」
「階段昇降機 補助金 〇〇市」
などとネットで検索すると、役所の該当ページにたどり着きやすくなります。
補助金の名称や対象者、給付額、申請方法は自治体ごとに大きく異なります。まずは、お住まいの市区町村がどのような制度を用意しているかを確認してみましょう。
【東京都内】主な補助金・助成金
| 地区 | 名称 | 対象者 | 階段昇降機に関する 基準額・限度額 |
|---|---|---|---|
| 新宿区 | 住宅設備改善費の給付 |
※いずれも、階段昇降機がなければ自宅での生活の維持が困難であるものに限る | 直線型:876,000円 曲線型:1,854,000円 |
| 江東区 | 高齢者住宅設備改修給付(介護保険外) | 江東区にお住まいで介護保険の要支援・要介護と認定されている65歳以上の方で、住宅設備の改修が必要と認められる方。 | 800,000円 ※直線型・曲線型を問いません。 |
| 渋谷区 | 住宅設備改修給付 |
| 300,000円 |
| 練馬区 | 自立支援住宅改修給付 設備改修 | 65歳以上の、介護保険の要支援1・2または要介護1~5と認定された方で、身体機能の低下や障害のために既存の設備の使用が困難な方 | 1,000,000円 |
| 墨田区 | 住宅設備改善費助成 | 学齢児以上の階段昇降が困難な方で、上肢障害が1級の者、下肢又は体幹に係る障害の程度が3級以上の者 補装具として車いすの交付を受けた内部障害者 | 1,406,000円 |
| 品川区 | 高齢者自立支援住宅改修設備改修給付 | 65歳以上の要支援認定もしくは要介護認定がある方 | 400,000円 |
| 千代田区 | 自立支援設備改修等給付 | 65歳以上の千代田区民の方で日常生活の動作等に困難があり、区が調査を行った結果、介護予防・自立支援の観点から改修が必要と認めた方、要支援または要介護認定を受けている方 | 1,000,000円 |
| 江戸川区 | 住まいの改造助成 |
| 2,000,000円 |
| 町田市 | 住宅設備改善費の給付制度 |
| 機械本体:979,000円 設備費:353,000円 |
※上記は2026年6月時点で各自治体の公式サイトに掲載の情報です。詳細はリンク先の各自治体のサイトをご確認ください。
【東京都以外の自治体】主な補助金・助成金
| 地区 | 名称 | 対象者 | 階段昇降機に関する 基準額・限度額 |
|---|---|---|---|
| 千葉市 | 高齢者住宅改修費支援サービス事業 | 市内在住の65歳以上の要介護(要支援)認定者 | 実工事費と70万円とを比較して少ない方の額から、利用者負担額を控除した額。 |
| 大阪市 | 高齢者住宅改修費給付事業 | 大阪市内に住所を有し、介護保険料段階が第1~6段階であり、要介護認定で要支援以上の認定を受けた高齢者のいる世帯 | 介護保険料段階に応じて~300,000円 |
| 神戸市 | 住宅改修助成事業 | 下記①②のいずれかに該当し、かつ、③に該当する方が対象です。 ①介護保険の要介護認定で「要支援」「要介護」と認定された方 ②身体障害者手帳の交付を受けた方 ③生計中心者の前年分の所得金額が600万円(給与以外に収入がない場合は、給与収入で800万円)以下 | ~1,000,000円 |
| 広島市 | 高齢者等住宅改修費補助 | 広島市内にお住まいで、所定の条件を満たす方 | 600,000円 |
| 網走市 | 介護保険住宅改修費 | 詳細は要お問い合わせ(網走市 健康福祉部 介護福祉課 ) | – |
| 高山市 | 高山市高齢者住宅改造助成事業補助金 | 在宅で生活する要介護又は要支援認定を受けた方 ※原則、一住宅1回限り | 対象者世帯の所得階層区分に応じて~750,000円 |
| 金沢市 | 要介護高齢者等の生活自立のための住まいづくりに関する助成 | 所定の身体要件、対象要件、対象工事に該当する方 | 生計を維持する者の課税状況に応じて~1,000,000円 |
| 福岡市 | 住宅改造助成 | 所定の条件に該当する方、または、その方の属する世帯の生計中心者。 | 工事に要した額と助成上限額300,000円 |
※上記は2026年6月時点で各自治体の公式サイトに掲載の情報です。詳細はリンク先の各自治体のサイトをご確認ください。
介護保険の住宅改修費は階段昇降機には適用されません
介護保険で利用できる「居宅介護住宅改修費(介護予防住宅改修費)」は、手すりの設置や段差解消などが対象ですが、階段昇降機は制度上対象外と明確に定められています。
介護保険法第45条では、「手すりの取付けその他の厚生労働大臣が定める種類の住宅の改修」 を行った場合に住宅改修費を支給すると規定しており、機器の設置はこの住宅の改修に含まれません。
さらに、厚生省通知(老企第34号)でも、「昇降機、リフト、段差解消機等、動力により段差を解消する機器を設置する工事は除かれる。」と明確に示されています。
ただし、椅子式階段昇降機は、住宅のリフォームを伴わず後付けでき、不要になれば撤去も可能です。住環境に柔軟に設置・撤去できる設備である点は知っておきたいポイントです。
現時点では、介護保険制度上は対象外ですが、上の一覧表にあるように、介護保険制度で対象外とされている住宅改修を、独自の助成金で補助している地方自治体は数多くありますので、お住まいの自治体の担当窓口に相談してみるとよいでしょう。
まとめ
階段の昇り降りに不安を感じ始めたとき、階段昇降機は住み慣れた自宅での生活を続けるための大きな支えになります。
本体価格や工事費は階段の形状やレールの仕様によって変わりますが、直線型・曲線型・屋外型などの特徴を理解し、必要な機能や設置可能かを見極めることで、長く安心して使える一台を選ぶことができます。
また、自治体の補助金制度は活用できる場合がありますが、介護保険の住宅改修費は対象外である点にも注意が必要です。
費用だけでなく、安全性・使いやすさ・サポート体制を総合的に比較することが、後悔しない導入につながります。
階段昇降機の価格について詳しく知りたい方や、ご自宅に設置できるか不安な方は、まずはTKEへお気軽にご相談ください。無料訪問相談・お見積りのご依頼は、直接0120-712-767にお電話いただくか、送信フォームからどうぞ。オンライン調査や写真見積りも承っております。

