コラム

車いすの乗客に、自力で階段式タラップを上らせた航空会社

エスカレータ式タラップ(ティッセンクルップ社製)コラム

鹿児島県奄美市の奄美空港で、某LCC(格安航空会社)を利用していた、体にまひのある男性(ふだん車椅子を使用)が、飛行機に搭乗する際、自力でタラップの階段を「ずりあがって」のぼる羽目になったことが、ニュース等で報道されていますね。

奄美空港には階段昇降機の設備がなく、また車椅子を担いだり、利用者をおんぶしたりして搭乗させるのは危険なので禁止されていたとのこと。空港や航空会社のそういう説明も一理あり、一方的に「けしからん対応だ」と非難するのではなく、多面的に、落ち着いて考えてみる必要がありそうです - 障害者差別解消法、合理的配慮、安全の確保と法の遵守、同行者や、たまたまそこに居合わせた人たちの手助けや親切について・・・。

高齢化社会で旅行客の高齢化も進むでしょうし、今回の方のように障がいがあっても世界中を旅して、マリンスポーツや観光を楽しむ人も増えてゆくでしょう。
ターミナルビルから機内に直接乗り込めるボーディングブリッジを利用できない地方の空港で、階段式タラップのバリアフリー化が見落とされていたことに、今回の事件はスポットを当ててくれました。

エスカレータ式タラップ(ティッセンクルップ社製)ところで、今年3月、サウジアラビアのサルマン国王が専用機で来日された際に、羽田空港でエスカレータ式のタラップを使ってニュースになったのを覚えていらっしゃる方も多いのではないでしょうか。

あれは羽田空港の設備ではなく、高齢の国王のため輸送機をチャーターして、サウジアラビアから空輸されたものです。

実は、この「エスカレータ式タラップ」を製造・販売しているのが、「ティッセンクルップ*1なんです。ティッセンクルップ・アクセス社*2は、いす式の家庭用階段昇降機だけでなく、業務用エレベーター・エスカレーター、空港の搭乗ゲートなど、様々な昇降機を手がける総合メーカーです。

ティッセンクルップ*1の技術で、世界中の段差をバリアフリーにしていきたいと、社員一同使命感をもって日々がんばっています。

*1: 「ティッセンクルップ」は記事掲載当時の親会社の旧社名です。「ティッセンクルップ・アクセス」がそのエレベータ・階段昇降機部門、現在のTKEです。

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